新高野街道(長坂街道)

新高野街道(長坂街道)

高野山への参詣道としては町石道が表参道ですが、学文路からの京・大坂道がよく利用され宿場町も繁栄しました。南海高野線(大正11年、南海鉄道が現在の高野線である高野大師鉄道と大阪高野鉄道を合併)が大正14年7月、高野下駅まで延伸されると、高野下から高野山への道が多いに賑わうようになります。高野下駅のある地域は椎出といい、高野山の麓でもないのに「高野下」とはそういう意味合いもあって名付けられたのでしょうか。新高野街道は高野下駅(椎出)から神谷にて京・大坂道に合して不動坂口の女人堂へとつづき、神谷は高野山に最も近い宿場町として栄えに栄えたそうです。当然学文路や河根の宿場町は寂れていったことと思われます。しかし、その繁栄も束の間のもので、大正14年3月、高野下から高野山までの鉄道敷設を目的とした高野山電気鉄道が設立され、昭和3年6月・高野下〜紀伊神谷間、同4年2月・紀伊神谷〜極楽橋間、同5年6月にはケーブルを開通させ、同7年4月から南海鉄道との相互乗り入れによって難波〜高野山間の直通運転が始まったのを機に、高野下駅(椎出)からの参詣道は歩かれなくなり、神谷の宿場町も衰退の一途をたどります。まさに鉄道の推移に翻弄された参詣道がこの新高野街道で、今ではほとんどの人に忘れ去られようとしています。

新高野街道高野下駅

新高野街道改札を出てすぐ丹生川にかかる橋を渡って370号線を右に行きます。

新高野街道370号線を右に曲がってすぐにある椎出郵便局の所で左に入ります。

国道370号線を椎出郵便局の角で左に曲がるとしばらくは左に小川を見て集落の中の緩い登りを進みます。小川が右手に見えるようになり、集落が途切れるあたりで左へと登る道が分かれており、ここからは長い急な坂道がつづきます。右から登ってくる道と合流してさらに左へと登っていくとすぐに民家があり、そこから10分足らず杉林の中を歩くと右手に「至高野山 6800m」の道標があり、そのすぐ先に朽ち果てた苅萱堂が建っています。この街道が賑わい出すと学文路から移されたといいますが街道が廃れると参詣する人もいなくなったようです。ここまで駅から35分ほど。

新高野街道右に民家があり、ここを左に上がっていきます。急坂がつづきます。

新高野街道先ほど分かれた直進の道がみるみる下に遠ざかります。

新高野街道急な登りはこのあたりまでですが、登りはまだまだつづきます。

新高野街道ここで右からの道と合流して左へ曲がります。すぐに民家があります。

新高野街道苅萱堂近くまで来るとやっと平坦な道になります。

新高野街道右手に「至高野山 6800m」の道標

新高野街道荒れるに任せた苅萱堂

新高野街道

広い道はこの苅萱堂前でぷっつりと途絶えており、かつての街道は「高野古道(?)」として、このお堂の正面に向かって左手脇から細い山道がつづいています。あまり人が通っているとも思われないので夏場は避けたほうが無難なような気がしないでもありません。鬱蒼とした林の中の道ですが、かつての街道の名残の「至高野山 6600m」「至高野山 6400m」の道標に導かれ、また、「長坂地蔵」「長坂弘法大師堂」も祭られ、不安はありません。山道に入って「長坂地蔵」まで10分ほど。「長坂地蔵」から「至高野山 6400m」の道標を見て5分ほど進むと「長坂弘法大師堂」が祭られています。このお堂の右脇に上に登る道(標識あり)があり、かなりの急坂ですが、3分ほど一気に登れば舗装された林道に出会います。ここから先もずっと林道で、新高野街道は山道の区間は20分ほどの、それもあまり楽しい道でもありません。歩くのを楽しむというよりも、文明に翻弄され一時の賑わいを見せた街道に想いを馳せるにはいいかも知れません。

新高野街道苅萱堂の左脇から山道へと入っていきます。

新高野街道人と出会うことの無い寂しい道です。

新高野街道

新高野街道「苅萱堂」と「長坂地蔵」の間に「至高野山 6600m」の道標

新高野街道「長坂地蔵」。「古道」というには歴史の浅い「高野古道」の標識が微笑ましい。

新高野街道「長坂地蔵」と「長坂弘法大師堂」の間に「至高野山 6400m」の道標

新高野街道進行方向右手に「長坂弘法大師堂」。ここは直進しないこと。

新高野街道この祠の右脇の急坂を上ります。

新高野街道林道に出た所で、カーブミラーの左下から出てきました。

さて林道に出合うと、ここは左へと緩い坂道を上っていきます。左手に視界が開け、和泉山脈が、そして金剛山も正面に見据えられる新高野街道では一番の展望が開ける所です。ここからは地道になったほぼ平坦な静かな林道を「クマ出没注意」の看板に脅かされながら25分で神谷の集落に着きます。ここで京・大坂道に合流して、極楽橋から不動坂を登って高野山へと辿りますが、神谷からは「こちらのページ」をご覧ください。

新高野街道和泉山脈。右へ落ち込んでいくと紀見峠です。

新高野街道金剛山もはっきりと間近に見えます。

新高野街道淡々と林道を歩いていきます。

新高野街道右斜め後ろから林道が合流してきますがこの道は行き止まり。

新高野街道道は2つに分かれ、右へ下ると紀伊神谷駅。京・大坂道へは左・直進です。

新高野街道正面で京・大坂道に合流します。右へ行けば極楽橋〜不動坂〜高野山。

新高野街道京・大坂道。正面が高野山方向です。神谷宿には風情ある立派な建物が残っています。