初めての大峯・山上ヶ岳はガスの中

2009-11-15

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ン十年も昔、藤井寺の旧村では「さんじょさん」といわれた大峯山・山上ヶ岳へ村の子供は「吊るし」に連れて行かれる風習があって、向いのおっちゃんに「そろそろさんじょさんやな」と言われるたびに「期待」と「恐れ」に取り憑かれたが、幸か不幸か親の転勤でその洗礼は受けずに済んだ。それからは「さんじょさん」のことは全く記憶から遠ざかっていたが、中高年になって始めた山歩きの流れから「さんじょさん」を思い出すことになった。もちろん、吊るされることなど真っ平ご免だが、とにかく一度は登ってみようと晴れのお天気マークに誘われて河内長野から登山口まで2時間かけての遠征となった。

清浄大橋と発心門

天川村川合辺りの紅葉はまだまだ奇麗だ。洞川温泉は初めてだが、ちょっと泊ってみたい雰囲気の温泉街を通り抜けると、その先の路肩に十数台の車が。どうやらゴロゴロ水を汲みにきた車が駐車場が空くのを待って列をなしているらしい。清浄大橋たもとの駐車場で1000円を払って9時出発。清浄大橋を渡ると女人結界を越えて全国唯一残った女人禁制の地に踏み込む。我が老妻もとりあえずは「女」なのでここは同伴できないが、ニューハーフはどうなんだろう? さて、すぐに左右に分岐する。左の道が歩きやすそうなのでそちらに向かうが進行方向は「一の世茶屋」とある。地図を見てもそんな地名はないので不安だったが少し広いスペースを過ぎると「一本松茶屋」の標識があって、間違いないことを確信。帰りに確認すると左右どちらの道を行ってもこの広場に行き着く(右の道は小石ゴロゴロで歩き辛い)が茶屋らしきものもその跡もなかったようだ。「一本松茶屋」まで38分、植林の中の緩い上りで気になるのは曇り空。山頂に着く頃には晴れるだろうか。

従是女人結界

「一本松茶屋」を過ぎるとだんだんと霧が深まってくる。少しは見えていた谷向こうの山も霧に閉ざされていく。28分で「お助け水」。さらに20分、植林帯を抜け七曲りの急斜面をこなすと吉野道からの合流点にある「洞辻茶屋」。「大峯奥駈道」の道標があって、ここから山上ヶ岳山頂までは「大峯奥駈道」の一部を歩くということになる。大峯山の開山期間は5月3日〜9月22日だということでひっそりと静まり返っているが、ここで小休止して補食。10時半に「洞辻茶屋」を後にして気持ちのいい笹原の尾根道を進むが、辺りは相変わらずガスの中で幻想的な雰囲気は乙なものだが眺望がないというのは辛い。

植林の中に露岩と木製階段と緩い上り道の入り混じった登山道

「一本松茶屋」この時季はガラーンとしている

お助け水

幻想的といえば、そうなのだが・・・

七曲りは少し急な上りとなる

「洞辻茶屋」で小休止。トイレは封鎖されていた

修験者の胃腸薬・陀羅尼助丸の出店が集まる二つ目の陀羅尼助茶屋を出ると、すぐに鎖場を行くか巻き道を行くかの分岐があるが、巻き道方向は通行止めのようだったので鎖場コースへ。すぐにつづく木製の急階段と3つの鎖場と立て続けの登りに息が上がり、立ち止まれば目の前に「鐘掛岩」と刻まれた大石の前に立ちはだかる岩場。ここは鎖もないし濡れているので(濡れていなくても)パスして右の巻き道を上がる。そこからは右側が切れ落ちた岩場の緩い傾斜の細い道を通るが、この時はガスが懸かって下を見下ろすことがなかったのが幸いして怖い思いをしなくて済んだ。

笹原の中の気持ちいい尾根道

濡れているので滑りやすい巾狭の木製階段

一つ目の鎖場

「鐘掛岩」右の巻き道を登る

「西の覗き」は帰りに寄ることにして、ここから「大峯山寺」までは小さな岩場はあるが歩きやすい道で、つぎつぎと門をくぐったり供養塔が建ち並んでいたりとかで寺域の雰囲気が色濃く漂っている。ひっそりとした宿坊を眼下に閉ざされた「大峯山寺」に辿り着いて、右手を少し登るとお花畑で「山上ヶ岳(1719.2m)」とある。しかし、一面の笹原もガスに包まれて、折角の展望も楽しむことができない。ここまで「洞辻茶屋」から50分で、ちょうどこのお花畑に陣取って周囲の景観を楽しみながらのお昼ご飯を最大の楽しみにしてきたが、これは諦めざるを得ない。

難所を越えると「大峯山寺」まで気持ちよく歩ける

霧の中にひっそりと佇む宿坊

「大峯山寺」山門

「大峯山寺」は開山期間以外は閉ざされている

頂上・お花畑「山上ヶ岳(1719.2m)」

このガスの中でお弁当を広げる訳にも行かず、仕方ないので「洞辻茶屋」まで戻って遅いお昼にしようとお花畑をそそくさと退散。「西の覗き」を「吊らされてたまるか」と見学して先を急ぐ。鎖場手前の(下りでは)左側が切れ落ちた細い道に懸かる頃に少し霧が晴れて足下まで視界に入るようになった。こうなると高所恐怖症が頭をもたげてきて、しかも少し下りの濡れた岩場とあって右の斜面にへばりつくように震える脚を一歩一歩踏み出すという、他人様には見られたくない醜態である。さらに、3本の鎖場は何とかクリアしたが木製の急階段は濡れて滑りやすく足下の見晴らしが良くなったのと相まって、ここもなかなか脚が前に進まない。やっと陀羅尼助茶屋に着いて、ホット一息。ここからは楽勝で下山できるはずだ。

お花畑はガスに包まれ、眺望もランチも楽しめない

「西の覗き」まだ辺り一面ガスの中

急にガスが晴れてきて・・・洞川の町並みだろうか

一番怖いところで視界が良くなる。この先がもっと怖い、のだ

鎖場を下る

「洞辻茶屋」で遅い昼飯を済ませてしばらく休憩して、駐車場に戻ったのが2時少し前。清浄大橋から山上ヶ岳往復は体力的にはそれほどきついことはないが、高所恐怖症にとっては少し難所と思う箇所もあった。さて、せっかくここまで来たのだから吉野山のモミジでも見て行こうと下市橋を越えて家とは反対方向へ寄り道。七曲り坂往復の余力は充分あったが、昨年に比べると色付き具合が良くないように思った。

吉野山・七曲り坂のモミジ

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