晩秋の高野山町石道

2008-11-29

boo

九度山町の駐車場が今月末まで土日祝日に無料解放されているのでギリギリ間に合うようにこの特典を利用して、九度山町・慈尊院から町石道を高野山まで歩いてみた。九度山町には他にも無料解放の駐車場があるが利用時間の制限があるので、もし帰りが間に合わないとという恐れから利用するのは躊躇する。大駐車場に着いたのが8時15分。準備体操して慈尊院まで少しの距離を歩いて本堂に参拝。正面の長い階段を丹生官省付神社へ向かう。慈尊院出発は8時30分。ここで早速に失敗。慈尊院にあるという180町石を見るのを忘れてしまった。

慈尊院山門(左)、丹生官省付神社(右)

丹生官省付神社にお参りして町石道へと出たところ、神社の駐車場の脇に179町石があり、そこで180町石を見忘れたのに気が付いたが戻る気にはならずそのまま進行。紙遊苑からの眺望がいいと聞いていたがそれも横目に見るだけ。ただ、ここのトイレは奇麗そうだった。町石道は標識も完備されており、それぞれ個性を持った町石に導かれての気持ちいい山道が続く。

179町石(左)、道の傍らにそれぞれの個性ある町石が旅人を見守る(右)

柿畑の中の農道といった感じの道を進むと徐々に高度を上げ、右側が切り立った急坂にさしかかると橋本市街が眼下に広がり、金剛山からその南尾根、三石山、和泉山系の山々が見渡せる展望ルートとなる。道幅があと半分狭ければ高所恐怖症の私には歩くのが怖い様な高度感のある道だ。行く手に展望台が見え、町石道はその手前で左折して柿畑の中の道を進むのだが、展望台まではほんの一足なので一服を兼ねてこの絶景を心行くまで楽しもう。

しばらくは簡易舗装された農道の中を行く(左)、柿畑の中に。その存在感は、凄い(右)

展望台から橋本市街。奥に金剛山とその南尾根

展望台から高野の山並み

慈尊院から展望台まで30分。ここで慈尊院をほぼ同時刻に出発した若い二人連れに挨拶を交わして先行したが、うっかりと展望台は町石道の途中にあるものと早とちりして、元の道に戻らずに先に進んでしまった。アスファルト舗装の広い奇麗な道が下って行く。町石も見当たらない。左上を見上げれば道がある様なので一旦展望台に戻ってそのみかん畑の中の農道に入る。ここも可笑しい。さらに道はないかと展望台に戻って地図をよくよく見れば展望台は町石道から外れていることにやっと気が付く。地図と標識には細心の注意という基本を忘れたお粗末で10分のタイムロス。気を取り直して本ルートに戻れば好展望の道はまだまだ続く。

金剛山とその南尾根。紀見峠から金剛山までのルートがよく分かる(左)、三国山から和泉葛城山の方向と紀ノ川(右)

雨引山分岐を過ぎるあたりから地道に変わって森林の中の雰囲気のいいコースとなる。雨引山は眺望がいいということだったので立ち寄るつもりだったが、タイムロスで気が焦りパス。落ち葉の敷き詰められた岩の多い坂道と階段を登り詰めれば明るい感じの六本杉。展望台から45分ほどだが、途中昨日の雨でぬかるんだところがあって靴と裾元は泥だらけ。

落ち葉を踏みしめて・・・、昨日の雨で泥濘化しているところも多い(左)、六本杉。真っすぐ行くと丹生都比売神社(右)

六本杉から丹生都比売神社への道は次回のお楽しみとして、折り返すように二ツ鳥居へとほぼ平坦な杉林の道を歩く。上古沢駅へと下る古峠を過ぎるとすぐに二ツ鳥居手前の天野の集落を俯瞰する休憩所が目に入る。ここで小休止して補食。二ツ鳥居を後にしたのが10時30分。腹ごしらえをしてこの時点ではまだまだ元気一杯。

二ツ鳥居手前の展望休憩所(左)、天野の集落は山に包まれて別世界の雰囲気(右)

丹生都比売神社を遥拝する位置にあるという二ツ鳥居

二ツ鳥居から少し下り気味の山道を進むと右手が開けゴルフ場の縁に沿って町石道が続くようになる。視界がパッと開け明るい空の下に曝されると神田地蔵堂。集落が近いせいか、イノシシ除けの電流線が路傍に設置されていて物々しい雰囲気だが、町石道の至る所でイノシシが掘り起こした跡が残っている。土の中にいる昆虫、ミミズ、根などを食べるために鼻先で地面を掘るらしい。

右手にゴルフ場。打球に注意と立看が。誰が注意するのか?(左)、足元注意。イノシシからの被害を守るためのもの。勿論ハイカーが注意する(右)

神田地蔵堂も絶好の休憩ポイント。トイレもあるみたいだった

神田地蔵堂を過ぎるとまたゴルフ場と再開して、打球の飛んで来ないことを祈りながら山道の中へと入って行く。上古沢駅への分岐・笠木峠の手前に90町石があり、やっと半分の距離を歩いたようだ。笠木峠:11時20分。晩秋の気配漂う雑木林を過ぎると72町石の奥に三里石。町石といい里石といい長丁場には励みとなる。

町石に導かれて・・・(左)、晩秋の町石道(右)

南海電車の軋む音を聞きながら少し下り気味に矢立茶屋を目指すと左下から車の音が聞こえてくる。生活音を聞くと味気ないような、少しホッとしたような気分になる。高野山道路に近付いてきたようだ。樹木が開けたところでは紅葉した山も見える。突如右斜面から枯れ枝の様なものがドサリと落ちてきた。よくよく見れば青大将。吃驚して飛び退いたが、この時期まだまだ活動中とは思わなかった。

気持ちのいい道が続く

矢立が近付くと柵で道脇がガードされている箇所が多くなる(左)、眼下に高野山道路。11月最後の週末でお天気もいいのでたくさんの車が(右)

開けたところからは向こうの山の紅葉が(左)、この辺りで長いものが落ちてきたので、吃驚!(右)

左に金網の柵。下り切ったところで高野山道路に合流すると矢立

矢立の少し手前の日だまりでおいしそうなお弁当を頬張る若者の単独行と挨拶を交わして、矢立到着はちょうど12時。高野山道路を注意して横断してまずはトイレ。昼飯を食べるにはちょうどいい時間でそのつもりでここまで来たが、ロケーションとしては不満がある。しばらくウロウロして結局、この先に展望台がある様なのでそこまで我慢することに。

高野山道路を横断。弁当を広げる恰好の場所は見つからなかった(左)、大門へはこの道を登って行く。久しぶりに里の匂い(右)

しかし、矢立からは急な登りが待ち構えている。弘法大師所縁の袈裟掛石・押上石を過ぎた頃にはシャリバテ気味。4時間近く小休止のみでほとんど歩きづめ。みかんを頬張って展望台まであと一息がんばろうと背中に鞭打って重い脚を運ばせる。高野山道路を横切り、少しの急坂を上れば待望の展望台。樹木の間から龍門山などが望めるが、期待が大きかっただけにたいした展望でもなかった。が、ベンチに腰掛けてやっと12時40分にお昼ご飯にありつけた。

弘法大師所縁の袈裟掛石(左)、またまた高野山道路を横断。カーブで確認しづらい(右)

展望休憩所が、あった!

案内板に落ち葉が重なってなかなか奇麗かなと

龍門山が樹間越しに見えるが、展望はイマイチ

20分食事休憩したが、体力がグンと落ちて蹌踉とした足取りで大門を目指す。途中右手に視界が開け展望のいい場所があったり木橋を何回も越える軽いアップダウンと平坦な清々しい道で、少しの間は沢沿いを歩いたりもする。沢から分かれると最後の急坂、大した距離ではないが疲れ切った身体にはここがかなりきつい。聳え建つ大門を見た時はホント、ホッとする。大門到着:13時55分。休憩時間を除くと慈尊院から5時間ほど歩いたことになる。

33町石の建つあたりは右手が開け遥かな山並みが望まれる

木橋をいくつも越えて行く。所々で谷筋が開けて遠くの山並みが見渡せる

沢沿いのコース、水の音は心を癒してくれる

存在感のある町石

木橋の向こうに町石

そろそろ最後の急坂の始まりだ(左)、ここを登り切れば大門。だんだんと人の話し声も聞こえてくる(右)

見事な楼門に圧倒される。左奥にトイレ

大門トイレ前の6町石を見て、交差点脇にある3町石、壇上伽藍手前の柵の中にある2町石、1町石を過ぎて終点の根本大塔には14時10分。あとは帰るだけだが、お目当ての土産物屋で焼き餅を仕入れて少し元気が出たので、バス・ケーブルを節約しようと女人堂に詣でて不動坂を下る。途中のベンチでのんびりとコーヒータイムにしたおかげで極楽橋駅に着いたのが15時20分。少し前に電車が出た後だった。次の電車を30分以上も待って15時56分の橋本行きに乗って九度山下車。駐車場に戻ったのはもう日も暮れようかという時間。秋の日暮れは早い。

大門から壇上伽藍に向かう大路の左手の柵の中にある1町石

根本大塔到着

女人堂に詣でて不動坂を下る

※見落とした180町石は丹生官省付神社へ向かう慈尊院の正面の長い階段の途中にあると知って、写真を整理していたら偶然に写っていた。こういう長い階段は立ち止まったり振り返ったりすると足が竦むので周りを見ている余裕がない。踊り場の右手にある様なので次回はしっかりと見て来よう。

丹生官省付神社へのの長い階段の途中にある180町石(多分・・・)

Copyright(c) 2013 高所恐怖症の山歩き All Rights Reserved.